今の規制が万全でないのは明らか

鳴り物入りで実施された仮想通貨制度改革の不備が、1年足らずで明らかになった。金融庁は2018年3月8日、再度の法改正を視野に入れた研究会を設置すると発表し、4月に初会合が開かれた。この間に、最初の法改正のきっかけになった事件を上回る規模の仮想通貨流出事件が起きたばかりか、緊急検査をすると、杜撰な経営実態が露呈して行政処分を受ける事業者が相次ぎ、仮想通貨相場も急落した。

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政府・金融庁が何より罪つくりだったのは、17年4月の仮想通貨をめぐる改正資金決済法の施行を「世界最初の登録制導入」「顧客資産を事業者分と分別して管理」と大々的に喧伝したことだ。同法施行を周知する金融庁の小冊子をみても「仮想通貨交換サービスが適切に実施されるよう制度整備を行いました」と謳われている。