「私の昔話をしても、従業員の成長に結びつきません」

――小堀社長の経験をどのように従業員につないでいきますか。

私の昔話をしても、従業員の成長には直接結びつきません。従業員自らが経験して成長の糧となるよう、新しい事業や難しい仕事、大きな仕事をする機会をつくるのが私の役割。経験を通して、自分の意見を言うだけでなく、他人の意見を聞ける「コミュニケーション力」の高い人財になってほしい。社内に仲間が多い人財は外部とのコネクトも築けます。もちろんコンプライアンスの遵守は必須です。そして、何より成長に欠かせないのが、やりたいことを実現しようとする「チャレンジ」精神。会社から与えられた課題に真摯に取り組むだけでは物足りません。

「持続的な成長に向けた基盤づくり」の推進策の1つとして、「経営戦略と人財戦略の一体化・連動」を進めている。その結果、2012年度3月期から17年度3月期にかけて、1人当たり純利益は約1.6倍にアップ。
▼QUESTION
1 生年月日、出生地
1955年2月2日、石川県金沢市
2 出身高校、出身大学学部
石川県立金沢二水高校、神戸大学経営学部
3 座右の銘、好きな言葉
知行合一、有言実行
4 最近読んだ本
『2030年未来への選択』西川 潤
5 尊敬する人
野口 遵
6 私の健康法
ジョギング
小堀秀毅(こぼり・ひでき)
旭化成 代表取締役社長
神戸大学経営学部卒業後、旭化成工業(現・旭化成)入社。2012年には取締役兼常務執行役員に就任。14年には代表取締役兼専務執行役員。16年4月より現職。
(構成=小澤啓司 撮影=栗原克己)
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