第三勢力のポニーリーグでは、「大会に出場するチーム数自体は減っていないが、リーグ数は減っています」という。この言い回しには少し説明が必要だ。ポニーリーグはできるだけ試合への出場機会を与える方針から、アメリカの本部にならって、ひとつのチームに18人以上の選手がいれば2チームを編成し、27人以上いれば3チームを編成することになっている。そのため、チーム組織のことを「リーグ」と呼び、大会に出場する「チーム」と区別している。
つまり「チームは減っていないがリーグが減っている」という現象は、リトルシニアやボーイズリーグ同様、強豪リーグに選手が集中してチーム数は維持されているが、人数不足で廃部になるリーグも出てきていることを意味する。大会に出場するための合同チームも、やはり増えているそうだ。
中学軟式野球部員は7年間で12万人減った
ここまで中学硬式のクラブチームを見てきたが、部活の軟式野球はどうだろうか。日本中学校体育連盟(中体連)では、加盟校数と在籍生徒数について毎年詳細な数字を公表している。最新の資料によれば、実は加盟校数では2010年から2017年まで一貫して軟式野球部が1位になっている。だが、その数は毎年少しずつ減り続け、2012年には全国で8919校だったものが、2017年には8475校になった。
生徒数の減少はさらに顕著だ。毎年1万人以上ずつ減り続け、29万1015人から17万4343人まで減少した。その間、生徒数ではずっと2位につけているサッカー部は、2013年まで逆に毎年1万人ずつ増え続けている。それから下降に転じるが、それでも2017年で21万2239人であり、2013年時点からさほど変わっていない。少子化による就学人口の減少を考えるとむしろ健闘していると言えるだろう。対して軟式野球部員は7年間で12万人と、これまでにないスピードで減っている。このペースでいけば、10年余りで中学校の軟式野球部員は0人になってしまう計算だ。