買い叩く企業は、独禁法の対象に?
ただ、現行でもフリーランスを守れる法律がある。取引上、優越的地位にある者が取引先に不当に不利益を与える行為(優越的地位の濫用)を禁じた独占禁止法だ。
「独禁法の条文は汎用性が高く、フリーランスの契約にも適用が可能。これまで公正取引委育会は動いてきませんでしたが、今回の検討会の報告を機に、パブリックコメントを経てガイドラインをつくり、悪質なケースを取り締まっていくでしょう」
ガイドラインの中身は現時点で不明だが、報告書からある程度の方向性は読み取れる。
たとえば報告書では、発注者の都合で代金の支払いを遅延したり減額することを問題視している。また、必要経費を下回る金額で発注するなど、著しく低い対価での取引を求めること、さらに合理的な理由なく競合他社との取引を長期間制限する契約を結ばせることも、独禁法上の問題になるとしている。
「外注を安く買い叩くなど、フリーランスの犠牲のうえであぐらをかいてきた企業は要注意です。公取に摘発されると、企業名を公表されて社会的に批判を集めるだけでなく、ビジネスモデルの急な変更ができずに事業そのものが立ち行かなくなる恐れもある。いまのうちから対応すべきです」