安倍政権が真相解明に後ろ向きなのは当然だ。現政権が自らを擁護しようとあの手この手を使うのは古今東西よく見られる。しかも安倍晋三首相の頭の中は「憲法改正」が大半を占めている。

森友・加計問題に関して国会や行政を叱咤激励する社説はどの新聞社も数多く書いてきた。新聞各紙はそろそろ検察の捜査を励ますような興味深い社説を書いてほしい。

証人喚問では新たな疑惑が噴き出すばかり

「混迷深まる『政と官』 不都合な事実隠したツケ」との見出しを掲げるのは4月14日付の毎日新聞の社説だ。

朝日同様、「まるで泥沼の様相だ。森友学園や加計学園問題、自衛隊イラク派遣の日報問題等々をめぐって連日のように新事実が発覚している」と書き出したうえで、こう指摘する。

「きのうは加計問題に関し、2015年4月、当時の首相秘書官が愛媛県側などに『首相案件』と発言したと記録した文書が農林水産省にもあったことが確認された。対応は全て後手に回っており、政府のガバナンス(統治)は危機的状況にある」
「なぜこんな事態に陥ったのか。いずれも問題発覚後、きちんと調査もせずに安倍政権に不都合な事実を強引に否定しようとしてきたからだ。そのツケが一気に回ってきている」

「政府のガバナンスは危機的状況にある」ことは国民の大半が理解している。安倍政権が「不都合な事実を強引に否定しようとしてきた」ことも事実である。

しかし朝日も毎日も、検察の捜査に期待するような社説は展開していない。ここでは挙げないが、他のどの新聞社もまだそうした論陣は張っていない。

国会が国政調査権に基づいて佐川氏ら関係者を証人喚問しても事態はいっこうに変わらず、新たな疑惑が噴き出すばかりではないか。まだ間に合う。新聞が世論を盛り上げ、まずは佐川氏の立件を現実のものにすべきではないか。

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