増税○、財政出動×の経済新聞という喜劇

2019年10月1日から消費税が10%に増税される。日本経済が消費増税によって腰砕けになることは経済政策上の議論を行うまでもない常識だ。そうでなければ、政府が増税した税収を原資に経済対策を行う必要がない。そして、弥縫策にすぎない付け焼き刃の政策は経済活動の現場に様々な混乱を引き起こすことになるだろう。

お笑い経済紙の消費増税「フルスロットル」礼賛は笑えない。(撮影=プレジデント編集部)

ところで、増税が日本の経済活動には明らかにマイナスなのにもかかわらず、それを社説で推進してきた経済紙が存在する。日本経済新聞だ。

参議院議員選挙後、19年7月24日同紙社説では、自民党・公明党の勝利を受けて「安倍晋三政権は10月の消費税率引き上げを円滑に実施すべきだ。ただ、社会保障・財政の改革はそれで終わりではない。消費税10%後の議論も始める必要がある」として、10%どころかさらなる増税を望んでいる。

さらに「当初から反対が強かった消費税だが、今回の選挙結果は、少子・高齢化が進むなかで累増する社会保障の財源確保には消費増税はある程度やむを得ないと考える国民が増えてきたことの表れではないだろうか」と論評している。