インバウンド需要の取り込みが成功の鍵
ドン・キホーテが首都圏展開を強化していた同じ時期である2003年4月に、政府の訪日旅行促進事業である「ビジット・ジャパンキャンペーン」がスタートしました。主に中国や東南アジア諸国からの旅行客に対するビザ緩和を進めたこのキャンペーンにより、訪日外国人旅行客は2003年の約520万人から2016年には2400万人を突破しました。
これらの外国人旅行客により、都心部では莫大なインバウンド需要が生まれ、都心の繁華街にドミナント出店していたドン・キホーテはいち早くこのインバウンド需要を取り込むことに成功しました。
ドン・キホーテのインバウンド需要について詳しく見てみましょう。時間帯別免税売上高構成比のグラフを見ると、20~24時の時間帯に、特に免税売上高が伸びています。午前中から夜にかけて徐々に売上高が伸びていきますが、20時を過ぎるとそれが大幅に増え、ピークは22時です。免税客の平均客単価は1万6200円で、国内平均2500円の6倍以上です。
国別では最も高いのが中国で客単価は2万4500円、国内平均の約10倍にものぼります。2位にはタイの1万8700円、次にベトナム・フィリピン・インドネシアの1万6600円と続きます。
中国人観光客にこれほど人気なのは、ドン・キホーテでは自国で買えない成人向け商品を購入することができるというのも理由の1つです。購入した人がブログやSNSなどでその情報を発信し、それを見た人が来日した時にドン・キホーテで買い物するという循環もできているようです。