日本語学校が「バブル状態」になる理由

“偽装留学生”の急増によって、日本語学校はバブル状態にある。その数は過去5年で200校以上も増え、全国で643校にも達している。日本語学校に在籍する外国人は、大学への留学生をも上回る。

東京都内の日本語学校には、定員2000人以上というマンモス校がいくつもある。“偽装留学生”を受け入れてきたおかげだ。授業など形ばかりという学校も少なくない。留学生は徹夜のアルバイトに明け暮れ、授業では眠りこける。それでも学費を払ってくれる限り、学校側は黙認する。留学生や授業の「質」よりも、営利のみを優先しているのだ。

日本語学校にとっては、留学生の失踪が最も怖い。事実、外国人の不法残留者は増え続けている。2017年初め時点で6万5270人を数え、3年連続で増加中だ。ベトナム人は前年から約35%も急増し、5137人に達した。留学生として入国後、不法残留になった外国人の数も約11%増の3807人に上る。学費の支払いを逃れ、不法就労に走っているのだ。

パスポートや在留カードを学生から取り上げる学校も

留学生が失踪すれば、日本語学校には学費は入らない。また、新たに留学生を受け入れる際、法務省入国管理当局によるビザ審査が厳しくなる。そうなれば留学生の数が増やせず、ビジネスが打撃を受ける。事前に失踪を防ごうと、パスポートや在留カードを学生から取り上げているような学校も多い。

日本語学校に在籍できるのは2年までだ。その後、“偽装留学生”は専門学校や大学に進学して出稼ぎを続ける。少子化の影響で、半数近い大学が定員割れの状況にある。専門学校に至ってはさらにひどい。学力や日本語能力など問わず、学費さえ払えば入学できる学校はいくらでもある。“偽装留学生”の受け入れで生き残りを図ろうとしているのだ。一方、留学生は学費と引き換えに留学ビザを更新し、日本での出稼ぎを続ける資格を手にする。

こうした“偽装留学生”の実態について、新聞やテレビはほとんど報じない。理由は簡単だ。それは全国紙の配達現場で、留学生の違法就労が横行しているからである。