「逆転合格」させる親は子どもを笑わせるのが上手い
母の念力フレーズ2:
「『藤井4段、参りました』は?」
おすすめは「笑い」の気分転換です。笑いは、その後の集中力を高めます。追い込みのこの時期、子どもかなりストレスがたまりますから、母の仕事は「アメとムチ」のアメの注入です。
私自身、娘と息子の中学受験のサポートをしました。その後、ブログや講演などで多くの受験生の親たちの相談を受けるようになりました。受験直前のピリピリした自宅の空気を少しでも緩めるためのアイデアをお伝えしているのですが、最近は、私考案の「藤井4段、参りましたゲーム」がとても好評でした。
ゲームのやり方はこうです。例えば、学校から帰ってきた子どもに唐突にこう聞くのです。「商店街に新しくできお店、なーんだ?」。すると、子どもは……。
「クリーニング屋?」
「ブッブー!」
「じゃ、コンビニ?」
「ブッブー!」
「は? なんなの? 早く言ってよ」
「『藤井4段、参りました』は?」
「……藤井4段、参りました」
「正解は、『家系ラーメン』でした~! 今度行こうよ」
など、なんでもいいのですが、要は身近な話題のちょっとしたクイズを出し合い、答えがわからず降参するときにこのフレーズを使う、という単純なものです。
「参りました」なんてこんなことでいちいちお母さんに負けを認めるのはまっぴらな子、「わかんないけど、別にいいや(勉強以外のことだし)」と冷めた態度を取りがちな子も、「藤井4段、参りました」といったフレーズはギャグ的な気軽さがあって言いやすいものです。「お母さんが『ドトールコーヒー』で一番好きなメニューはなんでしょう?」といった「そんなの知るか!」といった質問を振ってもいいでしょう。
▼アハハ、ワハハとあえて親子でふざけ合う
逆に、子どもから出題させる形にしてもいいです。例えば、「今日塾にすごく面白いお弁当持ってきた子がいたんだ~」なんて言われると、母親はとっても気になるもの。そこで……。
「え~? なになに? キャラ弁?」
「ブッブー」
「ちょっと早く教えてよ」
「『藤井4段、参りました』は?」
「あー。藤井4段、参りました!」
たわいない内容ですが、子どもと勉強以外の楽しい会話がなくなりがちな「今こそ」おすすめなのです。バカバカしいことを一緒に言ってアハハ、ワハハと笑う。たったそれだけで母にも子どもホッとする時間が訪れます。勉強をパンパンに詰め込むだけでは、肝心なときに力を100%発揮できません。力を出し切るには、「余白の時間」が必要です。ゲームをして「藤井4段、参りましたは?」と親子でふざけあって、力を抜く時間は子どもの心と体と頭をリフレッシュするのに十分な効果があると私は思います。