来年のリスクは?
それでは、来年の日本経済にリスクはないのか。欧州の政治、中東情勢、北朝鮮問題など、海外発のリスクは引き続きくすぶるだろう。
もう一つ、筆者のメインシナリオではないが、可能性がゼロではないリスクを挙げるなら、安倍総裁が自ら3選を望まず、党総裁(=事実上、首相)のポストを後継に譲ることだろう。安倍首相の強いリーダーシップの下で一貫した政権運営が行われていることが、海外投資家から高い評価につながり、日本の株式市場への資金流入を促している面がある(図表6)。仮に安倍首相が3選を望まない場合、後継首相はこうした評価を維持できるのか、手腕が問われるだろう。
三井住友アセットマネジメント シニアエコノミスト。1974年、東京都生まれ。一橋大学大学院 国際企業戦略研究科修士課程修了。98年慶応義塾大学経済学部卒業後、第一生命保険入社。第一生命経済研究所経済調査部、ドイツトレーニー、ロンドン駐在などを経て、2012年1月BNPパリバ証券入社、経済調査部シニアエコノミストとして勤務。16年2月より現職。