景気の回復ぶりを伝えるニュースばかりが並ぶ。10月に日銀が発表した9月の短観でも企業の景況感は10年ぶりの高水準だという。それなのになぜ実感に乏しいのだろう。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、企業の売り上げが伸びていないことが問題だと指摘する。

「伸びているのは、企業の収益性です。それは設備投資や人件費の抑制、原油価格の低位安定などによって実現したもので、肝心の売り上げの伸びは昨年までの4年間で平均1.5%にとどまり低迷したままです」

(図版作成=大橋昭一)
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