2018年中は景気回復が続く

話がややそれたが、安倍「安定」政権が続く下、経済再生とデフレ脱却を目指し、景気刺激的な財政・金融政策スタンスは維持され、景気の回復が続く可能性が高い。海外では、中国経済の成長ペースは2017年と比べて若干鈍化すると見るが、米欧では景気の回復が続き、アジア新興国では内需を中心とした景気拡大が予想され、日本の輸出も回復傾向が見込まれる。

国内に目を転じても、慢性的な人手不足状況が続く下、雇用所得環境の堅調は簡単には損なわれず、それが消費の緩やかな回復傾向を通じ、景気を下支えすると見る。安倍政権のてこ入れで、来年の春闘では5年連続のベースアップが予想され、今年はやや低調だったボーナスに関しても、今年度の企業決算が良好と見られることから、来年は夏・冬ともに堅調な増加が見込まれる(図表5)。消費と並ぶ民間需要の二本柱の一つである設備投資についても、少なくとも2018年中は、東京オリンピックを前にホテルなどの宿泊施設の建設投資が下支えとなる。