2013年5月11日、この映画を鑑賞した安倍首相は「指導者は常に難しい判断を迫られる」という感想を語っている。安倍氏は今、自らが劇中のリンカーンのように前面に出て改憲を実現しようと考えているのではないか。

早ければ2019年に国民投票か

安倍氏はリンカーンを強く意識しているのは周知の事実だ。安倍氏のローマ字ローマ字表記は「ABE」。英語ではしばしば「エイブ」と誤って発音される。「エイブ」は、リンカーンのファーストネーム「エイブラハム」の略称と同じ。

安倍首相は2015年4月、米連邦議会で演説した際「私の名字ですが『エイブ』ではありません。米国の方に時たまそう呼ばれると、悪い気はしません。民主政治の基礎を、日本人は、近代化を始めてこのかた、ゲティズバーグ演説の有名な一節に求めてきたからです」と語り、軽い笑いを取っている。

衆院選で「安倍1強」を確立した安倍首相が、世界史の中でも偉人の域に達しているリンカーンに自らを模し、日本史に名を残そうと考えているとしても、なんら不思議ではない。早ければ2018年中に衆参3分の2の賛成で発議し、19年に国民投票に持ち込まれることになる。

(写真=AFLO)
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