投資家として世界の経済状況をつぶさに見つめてきたジム・ロジャーズ氏は2024年以降、世界的経済危機に陥ると予測する。どうすれば資産を守ることができるのか。ワタミ会長兼社長CEOの渡邊美樹氏との対談をお届けしよう――。

※本稿は、ジム・ロジャーズ/渡邉美樹(著)、花輪陽子/アレックス・南・レッドヘッド(監修・翻訳)『「大暴落」 金融バブル大崩壊と日本破綻のシナリオ』(プレジデント社)の一部を抜粋・再編集したものです。

世界的投資家のジム・ロジャーズ氏とワタミ会長兼社長CEOの渡邊美樹氏
撮影=Takao Hara(Luxpho)

迫りくる世界恐慌に対する、最強の資産防衛法とは

【ジム・ロジャーズ(以下、ロジャーズ)】世界恐慌から資産を守る方法としてもっとも有効なのは、金と銀の保有だと私は思います。なぜなら、何か悪いことが起きたときに金や銀の価格は上昇するので、保険的な役割を果たしてくれるからです。

金や銀を保有するのは、資産を増やすための投資ではなく、資産を守るための保険としての投資です。生命保険と同じく、資産の一部として金や銀を保有していると、危機が起きた際に資産を守ってくれます。

私は次の危機で「世界が崩壊する」と予言しているわけではありません。けれど、次の危機によりみなさんの資産が大きな痛手を受けないように備えることはとても重要です。その意味でも、私は金と銀の保有を勧めているのです。

一方で資産を増やすための投資をしておくことも大事です。読者のみなさんが興味のある国を調べて、有望な投資対象を探してみるといいでしょう。

私が子どものころ、アメリカ人の多くは日本製品をバカにしていました。当時、日本に投資していれば、アメリカ人のほとんどが巨大な富を築くことができたはずです。他人の言うことを聞いても当てになりません。自分で考えることが大事です。