危機の後には、投資のチャンスがある
【渡邉】世界恐慌が起きたときは投資のチャンスと考えていいでしょうか。
【ロジャーズ】ハイパーインフレで通貨が暴落したときは、何もかもがバーゲンになります。コロナ禍は経済的にも大きなショックをもたらしましたが、「危機」の後には、さまざまな投資機会が生まれることも事実です。私は、以前からコロナショックの後には観光やそれにかかわる航空会社、飲食、ホテルなどの業界にチャンスがあると言ってきました。現に、日本でもコロナ禍前以上にインバウンド需要が高まっているでしょう。まさにチャンスが到来しているのです。
しかし、私自身は、2023年に入ってから先進国への投資を控えています。その理由は、今後1年程度の間に大きな経済ショックが待ち構えていると考えているからです。
アメリカでは2009年以降、大きな経済ショックを経験していません。14年もの間、何もショックがなかったのは歴史的に最長です。そう考えても、近いうちにアメリカで何らかの大きいショックがあると考えています。
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ロジャーズホールディングス会長。1942年、米国生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。73年にクォンタム・ファンドを設立し、ヘッジファンドという手法にて莫大な資金を運用して財を成した。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。『大転換の時代』(プレジデント社)、『世界大異変』(東洋経済新報社)など著書多数。
明治大学商学部卒。2024年に創業40周年を迎えるワタミグループの創業者として、外食、宅食、有機農業、再生可能エネルギー事業などを展開し独自の6次産業モデルを構築。2011年、東京都知事選出馬。2013年~2019年、参議院議員を一期6年務めた。郁文館夢学園理事長兼校長として教育者の顔も持ち、政府教育再生会議委員なども歴任。公益法人「School Aid Japan」代表としてアジア3地域で350校を超える学校建設や孤児院を運営する。『大暴落』(プレジデント社)、『夢に日付を!』(あさ出版)ほか著書多数。