「債務不履行」による損害賠償の請求が可能

商行為の契約内容は、当事者間の合意があれば自由に決めていいのが原則だ(契約自由の原則)。ところが、いったん契約を結んでしまえば、ともに契約履行の義務を負い、違反したら訴訟によって履行を迫られるケースもある。さらに、判決が出たのに従わないと、執行官によって契約履行(代金の支払いや仕事の完遂など)を強制される。強制執行に抵抗した場合は、強制執行妨害罪(刑法96条)で警察に逮捕される恐れもある。契約とは、それだけ重いものだ。

図:「口約束」と軽く考えてはダメ! 社会的信用の失墜で、会社消滅もあり!?
図を拡大
図:「口約束」と軽く考えてはダメ! 社会的信用の失墜で、会社消滅もあり!?

書面を取り交わすだけが契約ではない。口約束だけでも契約が成立するし、さらに契約が成立しなくとも、契約締結上の過失があったとして責任を問われるケースがある。例えば、「歯科診療所をつくる」と説明し、マンション購入の交渉を進めていたものの、最終的には購入しなかった歯科医に、売り主に期待を抱かせ余分な投資をさせたとして損害賠償を命じた判例がある(歯科医電気容量事件、最高裁・1984年9月18日)。

(構成=面澤淳市)