世界をまとめるのが米国の役割のはず
今回のトランプのアジア歴訪は何だったのか。アジアの未来に希望の光が見えただろうか。「否」である。
最大の焦点の北朝鮮問題について具体的な解決方法は見つからなかったし、要の中国との協議でも真剣な議論はなされなかった。南シナ海の問題にしてもトランプ氏の姿勢は積極的だったとはいえない。
歴訪の成果といえば、得意の1対1の商談によるトップセールスで、アジアの国々に米国の兵器を売り込み、米国の軍需産業に巨額の利益をもたらす構図を作り上げただけだった。
外交の基本はいかに自国を利するかを探ることだといわれる。その意味でトランプは最大、最高の外交手腕を発揮した。彼は大成功したビジネスマンだからだ。
しかしそれだけが米国の外交であってはならない。米国には大きな力がある。その力で世界をまとめるのが米国の大きな役割のはずである。