「アマゾンはなんの会社なのか」という問いには、「最近ではクラウドコンピューティングや動画配信のための番組制作まで行っているが、アマゾンにおいては事業に対するアプローチが統一されており、そのアプローチにこだわった事業展開をしているのがアマゾン」だと答えています。
常にパイオニアとして新たな商品を提供する
ここでいうアプローチとは顧客第一主義、イノベーション、超長期主義のことであり、第1章でも触れたアマゾンのバリューに対応しています。企業によっては、競合主義、ビジネスモデル主義、テクノロジー主義、商品主義などさまざまな主義を掲げるところですが、アマゾンを特徴づけているのは、やはり顧客第一主義であると強調しているのです。
一方で、ベゾスはこうも話しています。
「顧客に対してはただ単に顧客の声に耳を傾けていればいいということではなく、顧客は常によりよいものを求めており、そのためにもアマゾンが顧客に代わって常にパイオニアとして新たな商品・サービスを提供することが重要である」
これはイノベーションを追求する姿勢を改めて示したものだといえます。超長期主義については、「2~3年でも5~7年でもなく、さらに長期の視点で事業を考えることである」と述べています。たとえば今四半期の決算結果は3年前からすでに予測されたものであり、CEOとしての自分はすでに3年後である2020年の当該四半期の結果を注視していると語っています。真偽のほどはわかりませんが、超長期主義についての徹底ぶりは十分にうかがい知ることができます。