腸は栄養分と水分を吸収する根

人間の体を樹木に例えるなら、腸は土の中に強く広く張って栄養分や水分を吸収する根です。だから腸は人の健康の根本にあるものだといえます。

『パン・豆類・ヨーグルト・りんごを食べてはいけません ―世界が認めたおなかの弱い人の食べ方・治し方』(江田 証著・さくら舎刊)

現代医学は、「血糖値が高くなったら、薬で下げる」といった即効的な治療を得意とします。しかし、単に症状に対して治療するのではなく、病気の根本を正し、あらかじめ発症を防ぐ「予防医療」の取り組みが重要ではないでしょうか。たとえば血糖値は腸の調子を整えることでも下がることがわかっています。ほかにも、高血圧、動脈硬化、アレルギー、肥満、自閉症、肝臓がん、倦怠感などにも腸の調子が関係しているとみられています。さらには、パーキンソン病の患者の多くが便秘になることから、パーキンソン病は腸内細菌の出す毒素が発症の原因ではないか、という研究も進んでいるほどです。

だれしも腸の不調はあるもの。下痢や便秘で悩むことがあっても、長引かなければ気にすることはありません。日々の生活で腸の不調を感じない方は、糖質制限を意識しなくても大丈夫。ただ、体にいいものでも取り過ぎは腸のバランスを崩します。それに、腸も年齢に応じて変化しますので、折をみて食生活を見直すことをお勧めします。

現代では、小腸で吸収されにくい糖質を含む食品が非常に多くなっています。ただ、欧米では大手食品メーカーが低フォドマップ食品を開発し発売を開始する動きも見られています。情報に惑わされることなく、「傾腸」でご自身と向かい合いながら、病気を根本から対処する食事法を手に入れていただきたいと思います。