100万は貯められても500万は貯められない人

■貯める第2ステージ「500万円の壁」

100万円を貯め、貯金のペースもつかめてきた。しかし、なかなか突破できないのが500万円の壁です。なぜなら、お金を使うことも増えてくるからです。

200万~300万円くらい貯めたけれど、結婚資金として使った。あるいは、新車に買い換えた、といったケースです。必要なもの、どうしても欲しいものを購入したのですから、「無駄遣い」ではありません。しかし、一度貯まったお金は消えてしまうことになります。当たり前の話ですが、またイチから貯め直しです。

ふたつめの壁を「U-500万円の壁」と名付けてその突破方法を考えてみます。

「U-100万円の壁」を何歳くらいで突破するかにもよりますが、自分の人生をきちんと長期スパンで考えられなければ「U-500万円の壁」を越えるのは難しいでしょう。

というのも、数百万円前後の“資金ニーズ”を果たすための貯蓄というのは、「その後」を見据えていく必要があるからです。「結婚」「子育て(出産)」「住宅購入」……。出費がかさむイベントが山積みなのだという意識があれば、「貯めてはゼロにする」という繰り返しは避けようか、という気持ちになりますし、仮にお金を使ったあとも再び貯め始めるモチベーションを持つことができます。

少なくとも「貯金ゼロからのリスタート」の癖をつけないほうが「U-500万円の壁」突破に近づきます。例えば100万~200万円くらいは非常時の生活資金として残し、さらに数百万円をためて資金ニーズを最小限に抑えるような発想を持つ必要があります。

▼「子供名義の銀行口座や証券口座」を作ることも有効

まとまったお金を持つことは、さまざまなリスクへの備えにもなります。たとえば会社を辞めざるを得なくなるリスクは誰にでもありますが、「自己都合」で辞めることになると3カ月プラス7日間は失業手当をもらうことができません。つまり「約100日をやりくりするカネ」がないと、食いつなぐこともできなくなってしまうのです。非常時に備えて、ある程度まとまったお金は口座に置いておくべきです。

また、「子供名義の銀行口座や証券口座」を作ることも有効です。特に「子供の教育費」の専用口座を持つと、心理的に解約しづらくなります。さらに、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」のように60歳前の中途解約が禁じられている口座(その代わり税制優遇は強力)を活用するのも「U-500万円の壁」を超える力となるでしょう。