将来の希望や夢がない家庭は、浪費が多い

今や、家計の見直しは家族ぐるみで行うことが必須。リビングなど見えるところに「今月使えるお金はあと○○円」とか「今月の目標達成率は○○%」などと貼り出して、モチベーションを維持するというご家庭もある。

しかし何事もやり過ぎは禁物だ。多少、膨らんでいる支出項目があっても、貯蓄割合が理想バランスと同じくらいか上回っているのであれば、十分合格点だとしよう。

それよりも、何のために家計管理を行うのか、家族間の意思疎通をきちんと図ること。これが重要だ。

そもそも家計管理とは、マイホーム購入や子どもの教育資金、老後資金など、将来の目的に必要なお金を貯めるために、ムリ・ムダな支出を減らすことを目的として行うものだからだ。

この目的や希望、方向性がはっきりと明確なご家庭は、個々の「こだわり支出」をガマンしても家計管理に協力的である。逆を言えば、ガマンできないご家庭は、家族としての貯蓄目的やゴールが曖昧なのが原因かもしれない。

方向性といえば注意すべきは、子どもにかけるお金について。これが夫婦間で意見が合致していない場合も少なくない。

「子どもの習い事や塾の費用などは惜しみたくない」という妻と、「そこまでしなくてもほどほどにしておけば……」という夫。根本的な考え方が異なっていると、進学するにつれてそのかい離は広がり、教育費負担は重くなる一方だ。「ここまでお金をかけてきたのだから、途中でやめられない」というのは教育費で陥りがちな思考パターンである。

さらに悩ましいことに教育にお金をかけても、その子どもにとって良いとは限らない。親として子どもの幸せを考えているのは同じなのだから、単なる進学コースだけでなく「どうしたら子どもが幸せになるのか?」を早い段階からきちんと話し合っておくべきだろう。