都議選以降のイベントは?

そして、「第三極」は難しい舵取りを間違えると「被害者」を生む。以前、かつての「みんなの党」関係者と話している中で、冗談交じりでこんな表現が出た。「『第三極』被害者の会」。「第三極」の議員や秘書、党職員のみならず、これに期待した有権者はみんな「第三極」に振り回され、裏切られた被害者であると言っていいかもしれない。無論、「第三極」が存在していた当時はその役割や躍進を信じて疑わなかった人が多かったわけであるが、言い得て妙である。

特に「第三極」は常に揺れ動くその立ち位置に加えて、個人的な能力や魅力といった属人的な要素に寄るところも大きい。「第三極」の代表者がブレたり、何かの壁にぶつかった時にそれまでの主張を180度転換するようなことがあれば、一気に漂流し始める。「みんなの党」はまさにそうだったのであるが、小池知事の個人的な能力や魅力に寄るところが、「みんなの党」以上に大きい小池「新党」の場合は、輪をかけて影響が大きいだろう。

「みんなの党」にしても小池「新党」にしても共通しているのは、熱狂的な信者のような支持者がいるということである。小池「新党」については緑のものを身につけ、気勢を上げる熱狂的な支持者をメディアで見かけることも多いだろう。知られていないかもしれないが、「みんなの党」にも、党の政策や主張はどう変わろうとも常に100%正しい、渡辺代表の発言は絶対正しいと信じて疑わない信者のような支持者、さらに議員が少なからず存在した。

そうした支持者は熱狂的であればあるほど、冷めた時の反動は大きいように思う。加えてその熱狂は以外と根が浅く、熱狂を持続させるような演出が求められる。

小池新党の場合、これまでは都知事選、衆院補選、そして千代田区長選と、支持者を盛り上げて熱狂させるイヴェントが存在した。その一つの山場が7月の都議選であるわけだが、都議選以降が続かない。仮に衆議院の解散総選挙があったとして、にわか作りの国政政党で勢いを頼みに闘えるのかと言えば、その効力は限定的にしかならないように思う。「みんなの党」や日本維新の会が出来た時のように、自民党や民進党から離党者が続出するとは考えられない。

そうなると、熱狂や国政へという勢いを維持しつつ、自らの「東京大改革」への悪影響を最小限に止めるための合理的な選択肢としては、政党は作らずに特定の候補を支援するといったことになるのではなかろうか。

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