あとは周期を調べます。どの業界にも、甘い物の次には辛い物がくるというような“ヒットの周期”がある。そこからも仮説は立てられます。

もちろん、自分の直感や他人の感想もヒントになります。ただ、そのまま使うことはしません。直感は大事ですが、それだけだと失敗する確率が高いので、直感をロジカルに分析し、もれがないようにする。これが重要なんです。

豚骨ラーメンの“要素”を考えてみる

例えば「豚骨ラーメンが好き」という人が数多くいたとします。理由を聞くと大抵「おいしいから」と言う。それで終わらずに、豚骨ラーメンの“要素”を考えていきます。こくがある、麺が細いなど、いろんな要素がありますよね。その理由、つまり「なぜ細い麺がいいのか」といったことを一つずつ深掘りしていくんです。すると時代のトレンドが見えてきます。

本、ネット、雑誌からも情報は拾います。でも、本には本当のことが書かれていないことが多いから(笑)、人の行動を見るほうがいい。行動は嘘をつきませんからね。例えば仕事を頼んだ後、その人が席に戻って、何をするのかじっと観察します。すぐに動かなかったら、仕事に興味がないとわかる。

ほとんどの場合、人は本能で行動しているんです。そこに本質があります。特に「無意識のとき、何に時間を使っているか」。そのときの行動に本当のニーズがあるんですよ。

こんなふうに仮説をできる限り立てたら、後は確率の高いものから実行していくだけ。迷ったら、子どもや若い女性など、直感力のありそうな人に「これ、どう思う?」と聞いてみるといい。誰も乗ってこないようなら、順位を下げる。間違ってもおじさんに聞いてはダメですよ。肩書があって捨てられないものが多い人は、既成概念にとらわれがちで、直感力も鈍い。LINEのときも、おじさんから「やめとけ」って、さんざん言われましたから(笑)。