心配性の親は勝手に不安を増幅して子を潰す
▼「無気力化した子」を見事再生させる親の共通点4
【「大丈夫?」と聞かずに「大丈夫!」と言う】
親が子育てで一番やってはいけないことの筆頭にあげたいのは、己の不安をこともあろうに我が子に直接ぶつけることである。
特に心配性の親は我が子の将来が不安でしかたないので、その気持ちを解消したいがためだけに「大丈夫なの?」というメッセージを常に我が子に送り続け、我が子を不安で煽るのだ。
まだ来てもいない未来を心配し過ぎるのは賢明ではない。訪れてもいない不幸を未来予想しても意味がない。経験値が圧倒的に少ない分、不安なのはあなたよりもむしろ子ども自身なのだ。
その子に向かって、例えどういう状態であろうとも「大丈夫!(何とかなる)」と言い切りの形で言葉を結べる親の子は本当に「大丈夫!」なのである。
▼「無気力化した子」を見事再生させる親の共通点5
【敵(子ども)の予想の圧倒的、斜め上を行く】
ある名門校で学校から放校をチラつかされ、やる気の欠片すらも失った高1生がいた。
普通ならば家庭教師を付けたり、塾の個別教室に押し込んだりして、何とか赤点を脱出しようと親の方が足掻くものなのだが、その母は違っていた。
息子には何も言わず、何も聞かなかったそうだ。今までどおりに接している中で、学園祭が近付いてきたらしい。
その時、その母は子どもに1万円札を渡しながら、こう言ったと聞く。
「(最後の学園祭かもしれないから)これで思う存分、弾けなさい」
レインボーに髪を染めた彼は祭り終了後に突然、勉強スイッチが入って教師陣の度肝を抜いた。
のちに彼が私に語ったことには「お袋には叶わない」ってことだった。「俺、親に信用されているんだって思った」と言ったのだ。
私はよく中高一貫校在籍母から「子どもの成績が落ちたのでペナルティとしてお小遣いを減らしました」という相談とも結果報告ともつかないメールを頂いたりするが、これは非常に危険なやり方だ。
罰からはプラスなものは何も生まれない。むしろ拒絶と嫌悪感を新たに生むだろう。子どもが欲しているものは「親からの承認」だけなのだ。
例え、今、褒めるところが何もないと思っても、その存在を否定しない。さらにできるならば「(子どもの幸せな未来を)ただ信じる」。
これが重要だ。
我が子を信用できるのも親、そして我が子に元気をチャージできるのもまた親。窮地に追い込まれた時だからこそ、親が我が子にできることはたくさんあるのだ。