「マイホーム」で老後の生活資金を得る方法3

<対策3>「保有資産を有効活用する」

3つ目の対策は保有資産についてである。

おそらく多くのご家庭で保有資産といえば、金融商品以外にマイホームが挙げられるだろう。そこで検討すべきは、マイホームの有効活用である。

活用法は、今後、そこに居住するかしないかによって変わってくる。

(1)引き続き住み続けたい場合
自宅に住み続けながら老後の生活費などを捻出する方法が「リバースモーゲージ」である。これは、持ち家を担保に金融機関から定期的または一括で融資を受け、最後に一括返済するというもの。いわば“逆住宅ローン”ともいうべき商品で、全国の社会福祉協議会が実施する低所得者向けの「不動産担保型生活資金」などがある。

数年前から、担保評価がある程度高い自宅不動産を対象に、メガバンクなども取扱いを始めている。

(2)手放したくないが、他に移住する場合
「マイホームは子どもに残す予定だが、一軒家は広すぎるので、便利なマンションに引っ越したい」などの場合、空き家になった自宅を賃貸する方法がある。

不動産業者に委託する方法もあるが、一般社団法人移住・住み替え機構(JTI)が行う「マイホーム借上げ制度」の場合、日本に自宅を所有する50歳以上の人が利用でき、空室でもJTIが最低賃料(査定賃貸料の85%)を保証し、終身借り上げてくれる。

(3)手放しても良い場合
子どもがなく、自宅を手放してもよいのであれば売却し、その費用を老後資金に充当する方法である。最近では、不動産価格が高い現在の自宅を売却し、不動産価格や生活コストが割安なちょっとだけ地方の自宅に買い替え、あるいは借りるといったタイプの「プチ移住」の人も増えているという。自治体によっては、移住者に税制優遇や一時金などを支給する場合もある。

このほか保有資産としては、加入している生命保険の活用が考えられるし、もしかして、自宅に眠っているガラクタや骨とう品がお宝という可能性もゼロではない。

いずれにせよ、高齢者はお金が足りなくなれば、生活保護へまっしぐらではない。知恵と工夫でなんとかヤリクリできないか実践あるのみなのである。

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