【保険・運用】貯蓄型保険はほんとうにダメか?

「おひとりさま」の生活で心配なのは、病気などで働けなくなることです。そのために打っておくべき手は2つ。ひとつは「保険」、もうひとつが株や投資信託などの「運用」です。運用で安定収入を得るのは難しいですが、1本より2本の綱につかまっていたほうが安心だからです。

保険は、3大疾病や先進医療保障が付いた医療保険、がん保険が基本です。「貯蓄型保険はムダ」という声も聞かれますが、何と比較するかによります。「運用」と考えたら、株や投信に比べ利回りは見劣りします。でも、預貯金と比べたら、利回りは似たようなものでも、保障が付いている分、相対的にお得とも言えます。途中解約したら元本割れするデメリットがありますが、だからこそ安易に取り崩したくならず、確実に貯めやすいとも言えるでしょう。

運用は不安だからと全額預貯金するのであれば、一部を貯蓄型保険にまわしたほうが賢い選択です。一方、「しっかり株を勉強して運用するんだ」という人は、保険で貯蓄しなくてもいいかもしれません。

また、「貯める」ということに加えて、将来も収入を得続けることも考えてほしいと思います。老後に、貯金通帳とにらめっこして「あといくらで底をつく」という生活は寂しいもの。趣味や自分の好きなことを活かした副収入の道を、今から模索しておくことも老後の準備で大切なことではないでしょうか。

せっかく定年まで頑張って迎えた老後を、人生の「消化試合」にするのはもったいない。老後の夢やライフスタイルのイメージをふくらませ、それに向かって前向きに準備を始めていただきたいと思います。

(田端広英=構成 遠藤素子=撮影)
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