家庭にとって一番身近な「数字」といえば、家計。将来を見据えたお金を数字で把握しておけば、漠然とした教育や老後も解消! 不測の事態に対応もできる。
老後破綻や教育格差といった言葉が飛び交う昨今。今、問題はなくても、「わが家の将来は大丈夫なのか」と不安に思っている人は案外多いのではないだろうか。
そんな漠然とした不安に、具体的な答えをくれるのがキャッシュフロー(C/F)表だ。現在の収入や支出、予想される子供の進学や住宅購入などのライフイベントをもとに、将来の収支状況や貯蓄残高を表形式で具体的な数字に「見える化」したものだ。
外資系投資銀行勤務を経て、現在ファイナンシャル・プランナーとして活躍する花輪陽子さんは、C/F表の魅力は「将来を具体的な数字として表せること」だという。
「C/F表を作ると、将来の貯蓄残高が具体的にわかって、わが家の家計が見通せます。ある程度の未来予測ができると安心感が持てますし、将来の貯蓄残高がマイナスになるなら、今の家計に問題がある証拠。対処法を考えましょう」
現実は必ずしもC/F表の通りにはならないが、一応の目安にはなるので、5年ごとに見直して、情報を更新しておくといいという。
では、具体的なC/F表の使い方を見てみよう。会社員のプレジ太郎さん(40歳)は、妻(38歳)と子供2人の4人家族。2人とも中学から私立に通わせたいが「今の年収では、1人しか私立に通わせられない」と考えている。
子供1人あたりの教育費は、幼稚園から大学までオール公立だと約1000万円、オール私立だと約2300万円。ストレート合格でも約1300万円の差が出る。そこで、長男が中学から私立、次男はオール公立というプランで、一家の将来を予測してみた。その結果、次男が中学入学時の貯蓄残高は1089万円。その後も順調に増え、夫婦が65歳まで共働きを続ければ夫が67歳時点では貯蓄残高が約5639万円に。教育プランを見直して次男も中学から私立に行かせることが可能とわかった。
だが、人生は山あり谷あり。想定外の出来事が起こることもある。次ページからは、思いがけない4つの事件が起こったらどうなるのかを、C/F表を使って予測をしてみた。