▼事件4:妻の会社が倒産……
では、妻の収入がなくなったら一家はどうなるのか。19年、妻の勤めている会社が倒産。42歳の妻は、再就職先をなかなか見つけられずに失職し、一家は夫の収入だけで暮らしていくことになった。
前年には、長男が私立中学に入学したばかりで学費もかかる。夫の収入だけでは生活費や教育費を賄うことができず、貯蓄を取り崩して凌いでいたが、次男が大学に入学する年には貯蓄も底をついて、家計は破綻。住宅ローンも払えなくなり、一家は路頭に迷う。
「妻の収入がなくなっても家計を破綻させないためには、支出を抑える工夫が必要になります。まずは家計を把握して、どこに無駄があるかを確認しましょう」(花輪さん)
Kakeibon(画像を参照)やZaimといったインターネットの家計管理サービスを使えば、銀行や証券会社のお金の出入り、クレジットカードの引き落としなどを集約して、簡単に家計簿をつけることができる。
このケースでは、教育プランの見直しも必須だ。長男の教育プランをオール公立に見直せば破綻は免れる。
「子供にたくさん習い事をさせて、家計に占める教育費の割合が4割を超えている家庭もあります。あれもこれもと欲張ると、教育費はどんどん増えていくので、本当にやりたいものだけに絞って、最低でも収入の10%程度は貯蓄できるように、家計を見直してください」(花輪さん)
(向井 渉=撮影)