ボーナスは何によって決まるか?
そもそも、賞与とは、どのような意味を持つものでしょうか?
代表的な考え方としては、
(1)恩恵的賃金説:盆・暮れに出される、経営者からの恩恵的な性格の賃金
(2)賃金後払い説:毎月の給与の補てんとして、年2回程度支給される賃金
(3)利益配分説:会社の一定期間の利益から、貢献に応じて配分される賃金
といったものですが、近年では、「2.賃金後払い」と「3.利益分配」の綱引き、ということになるでしょうか。
大企業の賞与が高いのは、中小企業より儲かっているから。これは、もともとの月給水準が高いだけでなく、「3.利益分配」の性格が影響していると考えられます。
一方、たとえ赤字であっても、賞与をゼロにしない会社も少なからず存在します。これは「2.賃金後払い」としての要素を、その会社が認めているからかもしれません。過去に蓄積した利益から賞与原資を捻出することで、社員の生活面への影響に配慮しているのです。
住宅ローンやクレジットカードにも、ボーナス払いがあるくらいですので、多くのサラリーマンがそれをアテにして、生計を立てているでしょう。
とはいえ、業績が悪くても賞与を出すのは、企業体力のある大企業の特徴でもあります。
大阪シティ信用金庫が、今年の夏季賞与時に、取引先の中小・零細企業に対して行った調査によると、「賞与を支給しない(少額手当は支給する会社含む)」と回答した会社が約4割に上っています。
やはり、企業間格差は、想像以上に激しいようです。
さて、12月は、冬のボーナス支給に関するニュースが、新聞・雑誌やWEB上を賑わすシーズンです。以上のような情報を参考に、お読みいただければと思います。