バフェットを手本に積み立て投資で放っておくべし

個別銘柄を選ぶ際は、「投資の神様」と呼ばれるバフェットのスタンスをお手本にすれば悩みが減る。簡単に言えば、「今後何十年も安定成長を続けそうな超優良企業を見つけ」「適正価格よりも大幅に割安な株価で買う」こと。過去にバフェットが投資してきたのは、コカ・コーラやナイキ、ジョンソン&ジョンソンなど、誰でも知っていて、事業内容がわかりやすく、かつそれぞれの分野で「特権的な強み」を持っている、エンドユーザーに支持される企業ばかりだ。特権的な強みがあるかどうかは、次の4つの数字で判断することもできる。(1)過去10年間安定して成長し、その間の利益が2倍になっている、(2)ROEが15%以上、(3)売上高営業利益率が10%以上、(4)有利子負債が5年分の純利益で返済できる。

数字を見るのが苦手なら、自分が入社したいと思える企業に投資するといい。支持し、応援する気持ちがあれば、少しくらい価値が下がっても「長く持ち続けよう」と思えるからだ。それなら、自然と「悩まず」「放っておく」投資ができる。

それでも自信がない人には、ETFをおすすめする。これは日経平均やTOPIX、外国の株価指数といった特定の指標の動きに連動するように運用されている投資信託で、値動きがわかりやすく、個別の株と比べて簡単に分散投資ができるというメリットがある。毎月決まった金額を積み立て投資していけば、手間もかからないし、「買い時」で悩む必要もない。

結局、一番の無駄は投資の入り口で悩むことだ。有限な時間もチャンスも失っていることに早く気づいてほしい。

ファイナンシャルプランナー 黒田尚子

日本総合研究所に勤務後、FPとして独立。個人向けの相談業務、セミナー・FP講座等の講師、書籍や雑誌・Webサイト上での執筆など幅広く行う。著書に『50代からのお金のはなし』などがある。
 
(構成=大高志帆 撮影=加藤ゆき)
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