出社したら誰でもするのが、手帳などを開いてその日のスケジュールをチェックすることだが、お金持ちの手帳の埋まり具合は「スカスカ」。これがクイズ5の答えになる。お金持ちはこれからの仕事や将来をじっくり考える「一人作戦会議」の時間を大切にするため、予定に余裕を持たせるのだ。

田口さんの場合、手帳を「振り返り」ツールにも使うという。「久しぶりに誰かとお会いするとき、私はその人と最初にいつ、どこで会ったかを過去の手帳で調べます。そして再会したときに、『最初にお会いしたのは3年前の5月15日、○○講演会でしたね』と言うんです。すると、相手の方はたいてい感動してくれる。お金持ちになる人は『人とのご縁』を大切にして、『縁』を『円』に換えるんです」。手帳にはこんな使い方もあるというのは目から鱗である。

「皆と一緒=安心」という発想はダメ

出張の際、「経費だからグリーン車で」という考え方もいただけない。グリーン車に乗りたいなら、高い分だけ、何らかのメリットを得るべきだ。「どうしても今集中して読みたい本がある」といった目的があればいいが、座り心地がよくてぐっすり眠れるから、なんていうのはもってのほか。費用対効果をしっかり考えることが必要。だから、クイズ8の、仕事で乗る席は、「自由席」が正解になる。

『お金持ちになるのは、どっち!?』(田口智隆著・SBクリエイティブ刊)

9個のクイズを通して見えてくるのは、職場の先輩や同僚がしているから、自分もそうしようという横並びの発想が一番いけないということだ。周りに流されず、理性的に判断できない人はお金持ちにはなれない。

田口さんは言う。「お金持ちになりたいなら、『皆と一緒=安心』という発想が一番ダメ。たとえば、お金持ちになる人は、株価暴落を投資のグッドタイミングと捉えます。ビジネスでも『これが儲かる』というのを聞いてから『自分も』と後追いする人はその他大勢から抜け出せません」。

自分独自の考えをしっかり持ち、何事も合理的に判断することが、お金持ちになるための王道といえそうだ。

(澁谷高晴=撮影)
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