交渉・頼みごとは、空腹時を避ける!

先の2.「頼みごと・交渉がうまい」は、自分だけではうまくいかないことや時間がかかりすぎるために、お願いをする、人を説得し動かす、条件を上手に提示する……といったこと。効率よく仕事をこなす上で必要な力だが、少しのテクニックを使うことで、誰でもうまくいきやすくなる側面でもある。

たとえば、人にお願いごとをしたり交渉をしたりするときに、「ランチョン・テクニック」というものがある。心理学者グレゴリー・ラズランが提唱した心理術で、簡単にいえば食事のときにアイデアを提示し、説得するというもの。実験では、普通の場面で提案をしたときと、食事をしながらでは、食事をしながらのほうがはるかに提案を受け入れてもらえる結果になったという。

人は、食欲が満たされると本能から達成感を得て安心した精神状態になり、いろんな考えを受け入れやすくなる。さらに、食事がおいしくて満足できることが、あなたの話への好意にもつながるという。一番いけないのは空腹のときで、欲求が食に向かってしまう上にイラつくこともある。

つまり、ランチ前のプレゼンよりも、ランチ後のほうが通る可能性が高いわけだ。そして、部下を連れて「おい、メシ行くぞ」も、仕事を頼むときに有効だ。それも、できるだけ旨いメシのほうがいい。

ではアルコールはというと、考えを鈍らせるため好ましくないとされる。調子よく受けてもらえる可能性もあり一見大きな利点にみえつつ、あとで覆される可能性も否定できない。接待は別として、交渉ではできればアルコール抜きでおいしい食事で相手を満たすと、相手はあなたにも、あなたの意見にも好意的になり効果的だ。

さらに、交渉と頼みごとで人を動かすために、行動心理学で次のような方法もみられる。