短時間残業で株価を上げた企業ランキング

調査では、平均月間残業時間が30時間以下でありながら高い株価上昇率を達成している企業についてもランクを付けている(表2)。

1位は07年末から16年6月末までの株価上昇率が450.00%の日本調剤、2位は同293.12%のオリエンタルランド、3位は同268.59%の良品計画となった。日本調剤についての口コミでは「正社員も育児休暇取得後は時間短縮をして勤務でき、残業の無い準社員という働き方もある。また週3日の午前中勤務などパート社員としての働き方もある。それぞれ柔軟に行き来できる」、オリエンタルランドについては「基本的に事前に申告すれば休暇は容易に取得でき、社員の間で非常に印象の良い風土として評価されていた。残業もこちらが無理と言えば発生しない」、良品計画については「業務の無駄があれば意見を出してすぐに改善しようという風土がある」といった口コミがあった。口コミからもこれらの企業がワークライフバランスに配慮していることが分かる結果になった。

社員が高いインセンティブに満足したり、仕事に強いやりがいを感じたりしている企業では、長時間の残業が株価の上昇に繋がっている現状が明らかになった一方で、ワークライフバランスに配慮しながらも高い株価上昇率を達成している企業もある。残業の長短に関わらず、会社が目指している方向と、社員が労働環境に求めていることが一致している場合に、それが業績や株価といった成果につながりやすいという傾向があるようだ。

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