売り上げも絶好調に

ミズノによると、バレーボールのシューズ売り上げは、2012年度の約9億3000万円から、13年度が約11億円、14年度は約11億5000万円、15年度は約13億5000万円と順調に伸びている。「推計値ながら、バレーボールのシューズのトップシェアは確保したとみています」と芹澤さんは言うのだった。

ところで、カラーストーリーに関し、選手の評判はどうだったのだろう。きっと色の好き嫌いはあるはずだ。それまではほとんど白色のシューズから、まずは赤色シューズとなった。木村からは「この濃い赤は嫌いです」と言われたそうだ。でもカラーストーリーを理解してもらった。芹澤さんが述懐する。

「ストレートにいうと、(選手には)賛否両論がありました。眞鍋監督から各選手に(パフォーマンス、機能性として)“合わないものを無理やり使わせるのはやめてくれ”と言われていたので、選手としっかり対話をして、納得したものを提供するよう心掛けてきました。性能も同じです。プレースタイルだけでなく、ケガの経験も調べたりして、性能をどんどん上げて、それぞれ構造が微妙に違うシューズを提供させてもらっています」

じつはリオ五輪で履くシューズには、かかととベロ(足の甲部分の内側につく泥除け)には金色の「ミズノランバードロゴ」(走っている鳥のデザイン)が付いている。その願いは? と聞けば、芹澤さんは気恥ずかしそうに少し笑い、こう答えた。

「このシューズの“火の鳥ストーリー”を金色のメダルで締めてほしいのです」

さて勝利を導くカラーストーリーとなるのか。裏方のメーカーは、リオ五輪でハッピーエンドの物語を想定している。

松瀬 学(まつせ・まなぶ)●ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)、『一流コーチのコトバ』(プレジデント社)、『新・スクラム』(東邦出版)など多数。2015年4月より、早稲田大学大学院修士課程に在学中。
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