基本的には上司が部下をほめる際に使います。上1枚は上司本人、2枚目は管理担当者が保管、3枚目を部下に手渡します。大きい仕事、小さい仕事、地道な仕事の継続など、どんなことでもいい。上司が部下をほめることは大切です。しかも、手書きのカードをもらうのは嬉しいものですから、必ず社員の胸に刻まれ、自信になっていくことでしょう。

持ち株会社の株式上場は最大の経営目標のひとつでしたが、それがゴールではありません。むしろ、これからは社会的責任が一層問われるわけですから、私は社員たちに「兜の緒を締めよ」と伝えました。あえて「勝って」を付けなかったのは、まだ勝ったとは思っていないからです。ここで達成感や安堵感が出てしまっては、せっかくの改革の流れが停滞しかねません。いま、私があらためて社員にいっているのは「新たな視点で、スピード感を持って、イノベーションに挑戦しよう!」ということです。

(左)愛用している『必携 手紙実用文辞典』(三省堂)と『「四字熟語」の辞典』(日本実業出版社)。手紙を書く際に使うボールペンは、西武鉄道にうつる際、お世話になった方からいただいた記念の品。(中央)直筆署名。最も使っている四文字熟語とともに。(右)上司がいい仕事をした部下に贈る「Good Job カード」。手帳に挟むなどして大切にする社員が多いという。

西武ホールディングス社長 後藤高志
1972年、東京大学経済学部卒業後、同年4月第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。みずほコーポレート銀行取締役副頭取などを経て、2005年5月に西武鉄道社長に就任。06年2月から現職。
(岡村繁雄=構成 市来朋久=撮影)
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