ロボットに勝つ子どもはどんな子か?
子どもが学校のテストでどんなに良い点がとれても、それは決まった解のあるものです。決まった手順に従って適切な解を導き出した。そのこと自体は、素晴らしい。ただ、それは、ロボットの超得意分野です。
近い将来、AI時代を生きる子どもたちがつけるべき力は、テストで良い点をとる能力だけでは不足だということです。
将来ロボットに負けない人間に育てるためには、「ロボットの不得意分野、かつ人間独自の得意分野」を見極めて伸ばす必要があります。
では、そんな将来を見据えて、学校では子供にどんな教育をしていけばいいのか。そのキーワードが「アクティブ・ラーニング」です。学校現場にいる人間にとっては、もはや耳にタコができるというぐらい言われている超重要キーワードです。
文部科学省では、次のようにこの言葉を定義しています。
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、生徒が能動的に学ぶことによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習などのほか、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワークなども有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
何やら、難しいですね。簡単に言うと、「自分で考えて行動し、周りの人と協力していける人間を育てよ」ということです。アクティブ・ラーニングとは、「能動」かつ「協働」できる人を育てることに他なりません。
これが、学校教育にとどまらず、広く社会に求められていることです。つまり、アクティブ・ラーニングをご家庭の子育てにも導入すればいいわけです。
そしてこのアクティブ・ラーニングは、ロボットには獲得が難しい分野でもあります。ロボットが自分で考えるといっても、それは人工のプログラムによるものです。今話題の「ディープ・ラーニング」にせよ、人間の脳の構造が完全に明らかになってない以上、人間の知能にはまだ及びません。またロボットには、他人と感情の交流をしながらコミュニケーションをすることはできません(パターンを読んで反応することはできますが、感情の交流とは違います)。感情プログラムを導入しても、限界があります。
結局のところ、能動や協働といった人間独自の分野の力を伸ばしていければ、将来ロボットに職を奪われるリスクはかなり減るのではないでしょうか。