介護を巡る兄弟間の不和を防止するには?

介護の現場を見ていると、絆で結ばれたご兄弟を見てホッとすることもあるが、その反面、醜い争いを見て人間不信に陥ることも多いとFさんは言います。

情だけでなく欲も絡むのが介護。その意味で、兄弟間で良い介護をするのは難しい問題といえます。

ただし、Fさんは「兄弟全員が親御さんの介護を経験するというのは試みてみる価値はありますし、それを考えた時はケアマネージャーに相談してみてください」と言います。

「本当のことを言うと、ケアマネージャーはそこまで踏む込みたくありません。領域外のことですし、兄弟間のことに巻き込まれたくないですから。相談しても、“それはちょっと……”拒否するケアマネさんもいるでしょう。ただ、面倒見のいいケアマネはアドバイスしてくれるはずですし、兄弟が集まって話し合いをする時、現在の介護状況を説明しにきてくれることもあります。ケアマネが同席すると良いのは、第三者の立場で冷静に話ができること。兄弟同士の会話は熱くなりがちですから、そういう存在が必要なのです」

いずれにしても、兄弟間の介護は、こうしたらうまくいくという結論がなかなか見いだせないもの。つくづく難しい問題だと思います。

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