Q11 正解:参ります
「伺う」は伺う先の相手を高める謙譲語。身内である父親に使うのは不適切なため、同じ謙譲語でも相手を高めない「参ります」が適切。
Q12 正解:出席なさい(され)ますか
謙譲語の形「ご~する」に尊敬を表す「れる」を付けるのは不自然。「ご」を取って「出席されますか」とするか、尊敬語「~なさる」を使いたい。
Q13 正解:ご覧ください
「拝読」は、人の書いたものを読ませてもらうときに使う言い方。人に読んでもらうなら「ご覧ください」もしくは「ご一読ください」がいい。
Q14 正解:存じません
「存じ上げる」は、ある人物について知っているということをへりくだって言う表現。物や出来事には使わない。「存じません」が正解。
Q15 正解:負いかねます
「かねる」は「~することができない」の意。責任はとれないと言いたいなら「負いかねます」。「負いかねません」では、責任を負わされるかも。
Q16 正解:お待ちです
「お待ちする」は、自分が待つことをへりくだって言う表現。「お連れ様」を高める尊敬語「お待ちです」「お待ちになっています」などが適切。
Q17 正解:書かせて
相手の許可を求めるとき、何でも「~させる」とするのは耳障り。「書か・せる」「送ら・せる」「読ま・せる」など「せる」となる動詞も多い。
Q18 正解:「お体を」が不要
「自愛」そのものに、体を大事にするという意味があり、重複表現になる。「お体を」に続けるなら、「大切になさってください」とすればいい。
Q19 正解:ご教示
メールでよく見かける言い方だが、「教授」は学問を継続的に教え授けること。すぐに返信して答えられるような事柄にはなじまない。
読売新聞東京本社紙面審査委員会専任部長(用語担当)。日本新聞協会新聞用語懇談会委員。文化審議会国語分科会委員。監修書に『一生使える、美しい日本語と敬語』(PHP研究所)、近著に『なぜなに日本語』(三省堂)など。