視覚情報に関係してここで注意点がひとつある。読者は仕事上、パソコンとにらめっこの時間も多いに違いない。パソコンのおかげで仕事の効率がアップするなど恩恵も受けているが、あの平板なモニター画面を見ての作業で目そのものだけではなく、身体的に少なからずダメージを受けているという。

築山氏は、「最近、思考の働きが鈍くなった」「人から話しかけられたときにパッと反応できないことが多くなった」などと感じている人はパソコンなどIT機器による影響を疑ってみる必要があるかもしれないと話す。

「平面を長時間見ることは脳によくありません。例えば、極端な話ですが1日中椅子にしばりつけて壁だけを見せていると、人はおそらく1週間もたたないうちにまともな思考力を失うでしょう。一切の情報を遮断すると、人はボケてしまう。ずっとテレビばかり見ている高齢者にボケの症状が進行してしまう原因のひとつがそれです。パソコンはキーボード操作もするし、いろんなサイトへアクセスできるから事情が異なると考えるかもしれません。しかし、壁だけを見るよりはましでも、あくまで平面に映し出された情報なので、あまりに長時間モニターを見続けていると脳への悪影響は避けられないと私は考えています」

とはいえ、今やパソコンは仕事には不可欠。使わないわけにはいかない。そこで、「1時間に1回は目をよく動かす習慣」を築山氏は提唱する。目を上下左右斜めだけでなく、目のフォーカス機能を意識的に使うのだ。会社の窓から遠くのビル群を眺めたり、その上に浮かぶ雲を見たり、と至近距離のパソコン画面から一気に遠くを見る。そのようなちょっとしたケアが脳の働きを健全化することになるという。