五輪目指して7人制挑戦も
選手と記者が交わるミックスゾーン。山田は左ひざに水色のアイシングパックを付けて現れた。どうしたの?と聞けば、「いや、ちょっと打撲で」と言葉を濁した。
「後半の始まりまではすごくいいので、次は後半40分もしっかりやりたいなと思います。みんな、継続的に集中してやっていくことが必要かなと思います」
3連敗にも悲壮感はない。たしかに個々のフィジカル、スキル不足、チームディフェンスの連携の乱れはあるものの、アタックのカタチやリズムは悪くはなかった。あとは我慢、集中力の継続とハードワークである。
3試合を通し、向上してきた部分は「いっぱいあります」と山田は強調する。
「後半のスタート部分はよかったですし、ゲームプランを立ててちゃんと遂行できています。あんまり、ネガティブにはなっていません。いろんなバリエーションがつくれていますし、連係やコミュニケーションもとれてきたと思います」
山田の最大の長所は何と言っても、超ポジティブなところである。下を向かず、いつだって前を向いていく。その姿勢がプレーを伸ばしてしまう。シンガポール、南アフリカを転戦しながらのハードスケジュールでの試合がつづくが、気力さえ萎えなければ、きっと勝利はつかむことができる。自身の力量アップが日本代表の底上げ、トップリーグの底上げにもつながるはずである。
「(勝つためには)取り切るところの集中力でしょう。チャンスに集中して、もう一段階、みんなのエネルギーを上げられればいいのかなと思います。とにかく、1試合、1試合、チームを勢いづけるプレーをしたい」
そういえば、山田は、リオデジャネイロ五輪に出場する7人制ラグビー(セブンズ)の日本代表入りにも挑戦している。サンウルブズとセブンズ代表。陽気な人気者は難儀な挑戦を楽しんでいる風でもある。