国会はしっかり議論し、丁寧に審議している

【塩田】15年の通常国会で最大の焦点だったのは安全保障関連法案で、衆議院での採決は7月下旬でした。

【川端】審議の過程で、現場が動き出すと、議長、副議長が云々することではありません。大島議長はもともと国会畑が長い方で、関係者から事情を聴き、与党に対しては、できるだけ充実した審議を行い、野党の言い分もよく聞き、国民にわかりやすく、手続きに瑕疵がないように円満に、と本当にくどいほどやっておられましたね。そういう点では非常にきめ細かい。

【塩田】「政府・与党が強行採決で押し切った」という見方もありました。

【川端】これは非常に難しい質問ですね。手続き上は、時間が来て議院運営委員会で了解して、議長が本会議で採決を行った。政府と与党は、正規の手続きが踏まれていると言う。野党は、これだけもっと質疑が残っているから審議を続けろと言っているのに、打ち切って採決したから、数の暴力による強行採決だと言う。手続きに瑕疵があれば、それは間違いということですが。

【塩田】自民党出身の議長が政府・与党と一緒になって、安保国会を政府・与党の思惑どおりに動かしたということは。

【川端】政府・与党が必死になってあらゆる手段を使ってやろうというとき、議長はそこからちょっと離れていたことは間違いないです。そうでなければ、議長はもたないです。国会運営をこういうふうにして、こうやって安保法案を通そうといった考えは、議長にはいっさいありませんでした。

【塩田】多数決の世界ですから、「1強多弱」の現状では、採決の結果は初めからわかっているわけですが、その中で議会政治をどうやって活性化したらのいいのでしょうか。

【川端】難しいですね。「1強多弱」でも、議会を本当に大事にしようという中で、いろいろな言い分を聞いてやるべきで、そうやっていますよということですが、そこに多少の差はあると思うんです。ただ、原点は選挙ということに尽きるんです。

【塩田】「1強多弱」の国会では、内閣提出の法案だけが優先され、議員立法は後回しになるという傾向はなかったのですか。

【川端】私の選挙区は滋賀県ですが、議員立法の「琵琶湖の保全と再生に関する措置法案」が7年がかりで15年の国会で通った。与党の国会対策の基本方針は、まず内閣提出の法案を全部通すことで、余裕があれば、それ以外の法案もやろうということです。

民主党は反対ばかり、とよく言われますが、内閣提出の法案も含めて、多分、8割以上の法案に賛成していると思います。安保法制とか労働法制といった非常に大きな法案には厳しく反対するので、反対ばかりというイメージがありますかが、実は、国会はかなりの部分、しっかり議論して丁寧に審議して、全会一致で法案が通っているのが現実です。