「00:00」までに終わらせようと集中力UP

理由2▼先延ばしがなくなる

区切られた時間が設定されていると、先延ばし心理を緩和できます。先延ばしする人の気持ちを占めるのは「めんどくさい」です。めんどくさいと思うのは、逆算したプロセスを想像するからです。苦手で思考力を要するステップがあるとそれだけで後回しにしたくなる。夏休みの宿題も全く同じ原理です。

ところが、15分だけ提案書作成に時間を割いてみようと決めると、作成完了から目線をそらすことができます。一旦15分だけ手を付ける。

私はこれをベビーステップと呼んでいます。赤ちゃんの一歩で小さく踏み出すと意外とモチベーションは動いているうちに高まってきます。

また、同時に心理的なハードルはどんどん下がってきます。私は報告書類が苦手です。文章を書くのが仕事ですが、過去のことを思い出して事実を論理立てて書くことにはワクワク感を一切感じません。でも先延ばしにすると、余計に思い出せなくなり手間が増える。

そこで、その日のうちに5分だけ手を付けるようにします。こうすると、箇条書きで項目を出し報告書の大枠ぐらいはつくれます。そうすると次の一歩は踏み出しやすくなり、翌日の朝に15分、夕方に15分と時間が来たら終わりと決めるとどんどん進んでいきます。

富士山に登るのにいきなり10合目を考えるのではなく、まず1合目を登ることだけを考える。次の3合目、5合目、8合目と目線を上げていけばどんどん10合目に近づいていきます。

コツは作業の完成ゴールを脇に起き、目の前の1つの工程だけに集中する。そのために時間を小さく区切ることが重要なのです。そのベイビーステップに大いに役立つのが、カウントダウンタイマーです。

理由3▼締め切り効果で工夫が生まれる

30分で資料を仕上げようと、タイマーをセットし、カウントダウンを開始します。そうすると、タイムリミット効果(締め切り効果)が心理的に働きます。

00:00になるまでに、何とか終わらせようと集中力が高まり、その時間で終わらせようと工夫をします。私は、最善主義と呼んでいますが、限られた時間で最大の成果を出す思考が必要になるのです。

なぜか?

タイマーで時間を区切ったことで、時間が限られたからです。単純なことなのですが、脳はこの単純なツールに騙されて危機感を持って終わらせようと焦ってくれるのです。

私のお勧めは、いつもより30%オフぐらいの締め切り時間で自分を追い込むことです。その結果として、工夫をしないと終わらない緊張感からアイデアが湧いてきます。力の入れどころと抜きどころを見極める思考が働くのです。