セーレン流に進化した整流活動とは?
【中村】もう1つは、「整流」活動です(整流とは、理想の姿と現実のギャップを埋めながら会社の流れを整えていくこと。連載第3回参照 http://president.jp/articles/-/14573)。トヨタが生産現場を管理するために開発した整流生産方式を、セーレンは自分たちの現場に取り入れました。これだけなら何も驚くことはありませんが、セーレンは、整流活動をスタッフ部門にも応用したのです。生産現場もスタッフ部門もすべて整流で管理しようという発想は、とてもユニークだと思いました。
――スタッフ部門での整流活動とは、どのようなものですか。
【川田】まずは1人ひとりが、部門長の方針に沿って6カ月ごとの目標を立てます。その進捗を毎月上司と一緒に確認します。目標に対してどこまで達成できたのか、未達成ならどこに問題があったのか。それらを明確にして、目標と現実のギャップを埋めていこうというものです。上司と一緒に確認することで、上司と部下のコミュニケーションツールにもなっています。
――整流活動によって、スタッフ部門のスリム化などに効果はありましたか。
【川田】先日、ある新聞で読んだのですが、ソフトバンクホークスの工藤監督も現場を第一に考えているようですね。試合の6時間前には球場に入り、選手がどんな練習をしているのか、練習態度や調子はどうかなどしっかり見るそうです。また、遠征の日も、試合が終わった後の夜中に戻るか、もしくは朝一番に戻り、2軍選手の練習を見るそうです。