一歩引いて、わかりやすく伝えていきたい
現在は、報道番組「ニュース930α」(月~金、生放送)のメインキャスターを務める。日々のニュースから特集までをわかりやすく伝える。
一方で、管理職としての仕事も増えてきた。制作推進室次長として、レギュラーの番組などを持つアナウンサー8人の中でリーダー的な存在になっている。
即戦力のアナウンサーを採用する中途採用試験には面接官として加わるが、学歴で判断することはないという。
「以前に勤務していた放送局でアナウンサーとしてどのような仕事をされてきたのか、などは確認します。その方の学歴はキャリアシートに目を通す、といった程度です」
職場では、人を育てることの難しさを実感するが、厳しく教えることはしないようだ。
「他局などで経験を積んできたアナウンサーが多いので、むしろ、私が教えてもらうことがあるのです。学ぶところが、いっぱいあります」
自らのキャリアについては、番組制作の現場で学ぶことが多かったと振り返る。
「私が入局した頃は、キー局などに比べると、研修体制がまだ整っていない時期でしたから、現場にポン!と放り出されて、覚えていく感じでした。怖いですよね(苦笑)。先輩のアナウンサーをはじめ、局や制作会社のスタッフ、共演するタレントのみなさんから教えていただきました」
ベテランの域にさしかかりつつあるが、控えめである。ディレクターなどとして番組づくりをすることは考えていないという。
「私には、あのようなセンスも力もないのです。これからも、しゃべる仕事にずっと関わっていくことができたら、と思っています」
フリーのアナウンサーのように、自らのキャラクターなどを前面に出すことも考えていないという。
「私は、つくり手が制作したものをわかりやすく伝えるところに、この仕事の魅力を感じています。たとえば、ニュース番組ならば、取材をしてきた記者が、何を伝えようとしているのか、私なりにその意図や思いを考え、拾い上げていきたいのです。
『あっぱれ! KANAGAWA大行進』のような番組ならば、共演する方々が、仕事をしやすくなるようなサポート役をしていきたいのです。
一歩引いたところで、番組として視聴者の方に見せたいものを伝えるようにしていくことができたら、と思っています。こんなように考えるのは、私の性格なのかもしれませんね」