8強入り見据え、現地視察を敢行

日本のトップクラスの選手たちが残酷な選別を経て、31人のW杯選手が決まった。初選出は、大学生2人を含む20人となった。ジョーンズHCは「経験者と若手の非常にいい組み合わせになっている」と言った。

そうは言っても、W杯は経験がものをいう場である。過去のW杯でも、日本代表の若手が緊張で力を出せなかったケースは多々ある。自分のルーティンを忘れ、チームとして機能せず、日本は敗戦を重ねてきた。日本はW杯で過去、通算1勝21敗2分け。

そういった反省に立ち、日本代表はことし4月、試合会場の視察のためだけに英国遠征を敢行した。異例のことだった。ジョーンズHCが収穫を冗談交じりに説明する。

「どういう環境で過ごすのか、どうすれば会場になじむことができるのか、イングランドに視察にいったわけです。食べ物がまずいとわかったならば、こちらのセブン-イレブンで食料を買い込んでいくでしょう」

またW杯という舞台を理解してもらうため、合宿ではW杯経験者をリーダーとした5つのグループに分けて食事に行かせ、リーダーたちがW杯経験を語る機会もつくった。グループリーダーはフロントロー陣なら前回W杯出場の堀江翔太、畠山健介、ロック陣なら3大会連続出場の大野均、トンプソン、ハーフ団なら田中史朗、日和佐篤、残りのバックスなら小野晃征といった具合だった。