國定さんからのアドバイス
意外に思う人もいるだろうが、実は社長の中にもグズは多い。基本的にはグズと言ってもいいかもしれない。デキる経営者は自分の性分を理解しているから、自分がグズでいられないような外部要因を設定するのだ。例えば休みの日、気を抜いていれば1日寝て過ごすこともあるかもしれない。そんなときは、朝から予定を入れてしまうのだ。後回しを避けるためには、まず締め切りを設けること、リストにして見える化することが重要になってくる。仕事というのは取り掛かるときに大きな労力を必要とするが、見える化してあれば自分が得意な分野から先に片づけて、エンジンをかけることも可能だ。難しい案件などは、行き詰まってしまい、ついつい放置してしまうこともあるだろう。自分の中に溜め込むのではなく、中途半端な状態でもいいから、どんどん人に相談することが大事だ。まったく違った視点からの着想を得ることができ、解決への糸口となるかもしれない。
大慌て予防にもリスト化は効果を発揮する。何から手を付けるか決断できずに呆然とするくらいなら、頭の中を整理し、リストの上から順番に仕事を片付けていけばよい。大慌ての人に1つ付け加えたいのは、待ち合わせ時間の5分前には現場に到着すること、絶対遅刻しないということだ。三菱の岩崎家当主と面会する際、私は10分前に着いたのだが、相手方はすでに到着して待っていたのである。優秀な人は絶対に遅れない。相手のメンツを潰さないためにも、心しておきたい。
1971年生まれ。東洋経済新報社記者を経て、コンデナスト・ジャパンへ。「GQ」の編集者としてビジネス記事を担当。著書に『やはり、肉好きな男は出世する』。
1984年、日本IBM入社。2013年、独立。多摩大学大学院・客員教授。著書に『100円のコーラを1000円で売る方法 1~3』『残業3時間を朝30分で片づける仕事術』。