▼世界の一流企業が出題した「ケース面接」の難問たち

[Q1]アメリカには何軒のガソリンスタンドがありますか?(マイクロソフト)
[Q2]2つの扉の前にライオンが1頭ずついた。傍らの立て札には「片方の扉はあなたを新しい世界へ導くが、もう一方の扉は、過去へ逆戻りする。2頭のライオンは『はい』か『いいえ』でしか答えられない。1 頭は真実しか語らず、もう片方は嘘しか語らない」。あなたはどちらのライオンに何と質問をすれば、新しい世界へ行けるか。ただし、質問できるのは1度だけである。(ゴールドマン・サックス)
[Q3]次のオリンピックで日本がメダルを増やすためには、どうすればいいでしょうか?(マッキンゼー・アンド・カンパニー)
[Q4]100階建てのビルで、ある高さ以上で壊れてしまう電球を20個渡された場合、どのようにして電球が壊れる高さを特定しますか?(アップル)

▽企業が求めている答えは?

[A1]実際に調査するのが難しい捉えどころのない量を、いくつかの手がかりをもとに推論し、概算を出す「フェルミ推定」の問題。ガソリンが必要な乗用車の台数を人口から推定し、その1台当たりの給油時間の仮定から、それに対応できるガソリンスタンドを割り出すのが王道。アメリカの人口は約3億人。未成年者や都市部、貧困層は乗用車を持っていないと仮定すると、乗用車保有者は2~3人に1人で約1億2000台。結果的に1億3000軒前後となる。
[A2]片方のライオンに「おまえは『こちらが新しい世界への扉か?』と聞かれたら『はい』と答えるか?」と聞くのが正解。なぜなら、真実を語るライオンであれ、嘘しか語らないライオンであれ、新しい世界への扉については「はい」と答え、逆戻りする扉については「いいえ」と答えるからだ。ライオンと扉のすべての組み合わせを試すとはっきりする。ライオンが「はい」と答えればそのまま進めばいいし、「いいえ」と答えたらもう片方の扉を進めばいい。
[A3]単純化されたビジネスのシチュエーションを使って、問題解決能力を測る「ビジネスケース系問題」。知識よりも論点を明らかにして分析を加え、結論を導くプロセスが重要。まずはメダルが増えるメカニズムを考え、近年日本がメダルを多数獲得してきた競技の特徴を考察し、そこから今後日本が力を入れるべき競技を導き出す。銅メダルまで視野に入れて「3位までに入る可能性を上げる」ということに気づくかどうかが1つ目のハードル。
[A4]気圧によって電球が壊れるのだとしたら、「バイナリサーチ(二分探索法)」を用いて調べていく。100階建てのビルなら、最初に50階まで電球を持っていき、そこまでに壊れれば次は25階。25階で壊れれば13階、そこで壊れれば……とデータを二分し続ければ、20個の電球が割れる前に効率よく答えが出せる。ただし、なかには「製造元に問い合わせる」という超合理派、「そんな危険な電球は採用しない」と答えた現実派もいたとか。

(PIXTA=写真)
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