ここで決算短信を細かく見てみると、サントリーは2008年12月期、当期純利益が前期比で33.2%増と過去最高を更新している。
P/Lを見てわかるように、他社と比較すると販管費が比較的高いのがサントリーの特徴だ(図5)。しかし、この期は販売費を中心にコスト削減をすることで、原材料費高騰を吸収。ライバル各社が缶ビールの値上げをした際、価格を据え置いたのも売り上げ増に貢献した。こうしたコスト削減努力が実り、ビール事業初の黒字転換を成し遂げたのだ。
これら細かい数字を把握しなくとも、B/S、P/Lを数期分ざっくり見てみるだけでも、会社の実態や変化を大まかにつかむことは可能だ。
また、これは損益分岐点の話にもつながるが、売り上げが同程度でも、コスト削減次第で利益構造が大きく変わることも覚えておきたい。