──新しい保険が開発されることで、どのような効果があるか。
【高橋】たとえば民間の保険会社が、健康な加入者に特典のある商品を提供する。その結果として、医療費の支払いが減り、社会保障費の抑制につながる。加入者、国、保険会社のWin-Win-Winの関係ができると思っている。
──販売の面では来店型ショップが増えているが、今後はどうなると予測しているか。
【高橋】若年層を中心に、好きなときに訪問して商品を比較し、納得して保険に加入したいというニーズが顕在化しているといえる。今後は地銀などの金融機関でも同様に、複数社の保険を販売する手法が拡大していくだろう。若者を定着させることに苦慮している地銀にとってもメリットは大きい。
──販売者がインセンティブ(販売奨励金)の大きい商品に偏って販売する点が問題視されている。
【高橋】販売者からすると儲かる商品を売りたがるという話だが、「自分にあった商品を買いたい」というお客様の本質的な期待には応えていない。今後、インセンティブは価格に還元され、価格競争がはじまるだろう。だからこそ、分野を絞ったエッジの利いた商品を、いかに短期間で開発、販売していくかが重要になる。
1956年、東京都生まれ。79年早稲田大学理工学部卒業後、安田火災海上保険(現損保ジャパン日本興亜)入社。2008年執行役員人事部長、10年取締役常務執行役員。14年代表取締役副社長執行役員を経て、15年4月より損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険代表取締役社長。