花里局では事務連絡の後、一人が突然ドーナツの箱を取り出した。

「お誕生日おめでとう」

そして、パチパチパチと拍手。局内でお金を出し合って、仲間にプレゼントを贈るのだという。しかし、ハッピーバースデイを歌ったりはしない。すぐに仕事だ。


(右)誕生日の社員に、局全員でちょっとした贈り物をするのが恒例という。(左)2000年に新卒で入社した岡本常務。

和気あいあいとしてはいるが、あくまで会社は仕事をするところと各自が自覚している。

ふたたび岡本常務の解説である。

「うちは朝会を大切にしています。目的は社員みんなで情報を共有すること、そして社員の活性化です。私が一人で立ち上がって檄を飛ばすといったことはしません。それよりも、本人がやりたくなるという気持ちを重視しています。

全体朝会で話すことは2週間ほど前から準備します。事業戦略を語ることもあれば、ひたすらモチベーションを上げるための話をすることもある。朝会では課題をあげつらったりはしません。これから1日頑張ろうという時間ですから、前向きなことをしゃべるようにしています」

同社は社員を成長させるために職場の環境整備を惜しまない。新人歓迎の風船もそうだし、朝食用のヨーグルトや飲み物を無料で用意していることもそのひとつだ。そして、朝会もまた社員の成長を支えるシステムなのだろう。

(文中敬称略)

(尾関裕士=撮影)
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